反省会は必要か
ある冊子に、落語家の立川志の春さんが「反省会は大嫌い」という主旨のエッセイを書かれていて、とても共感しました。
反省会嫌いのきっかけになったのは、せっかく楽しく盛り上がった親子キャンプが、反省会のために台無しになってしまったことだそう。反省会で、一人ずつ反省点を挙げていくうちに、はじめ明るかった雰囲気が、暗く、冷たくなっていった、楽しかった思い出が、反省のための反省によって汚されてしまったということです。
落語の関係企画でも「振り返りミーティング」という別名で、反省会になりかけたことがあったそうで、こんなことをやっていると、チャレンジなどできないと主張されています。
私が学生の頃は、経営学の分野でPDS(Plan計画-Do実行-See評価)が重要と教わりましたし、以前の職場ではPDCA(Plan-Do-Check-Action)を回すと盛んに言われていた時期がありました。
たしかに、危機管理の側面では、反省しないと同じ失敗を繰り返すおそれがあるので必要なことですが、何でもかんでも無理に反省するのはむしろ害毒になることも十分認識しないといけないように思います。
冒頭の親子キャンプの事例がそうでしょうし、仕事の場合もやったことを振り返って改善することの繰り返しでは、次元の異なる発想には結びつかないような気がします。
また、NPOなどのイベントや会議では、よく「振り返り」が行われていますが、厳密に反省するのでなく、感想を述べ合うぐらいにとどめておく方が落ち込むこともなく、以後の参加意識につながるのではないでしょうか。