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2024年1月 7日 (日)

書籍「成年後見制度の闇(飛鳥新社)」

 成年後見制度は、末尾の最高裁判所の資料にあるように、精神上の障害(認知症など)により判断能力が欠ける,あるいは不十分な方に援助者を選任し,契約の締結等を代わって行ったり,本人が誤った判断に基づいてした行為を取り消したりして本人を保護する制度で、その理念には、本人の意思や自己決定権の尊重も含まれているものです。

 多くの成年後見はこの趣旨、理念に沿って運用されていると考えられますが、中にはこの書籍に掲げられた問題事例(家族でない後見人が、後見される人の財産を一手に管理することで家族の意向をないがしろにする、本人や家族の意思に反して本人を施設へ入所させるといったことなど)もあるようです。

 この書籍は2018年に刊行されたもので少々年数は経っているものの、昨年(2023年)5月のBS-TBS「噂の東京マガジン」という番組でも同制度の問題点が取り上げられており、またビッグコミックオリジナル2024年1月5日号から連載を開始した「れむ a stray cat」でもこの問題が主眼になっていることから、依然課題は継続していると考えられます。

 その一方で、2021年3月に国の成年後見制度利用促進専門家会議が同制度の運用改善等を含む「第二期成年後見制度利用促進基本計画に盛りこむべき事項~尊厳のある本人らしい生活の継続と地域社会への参加を図る権利擁護支援の推進~(最終とりまとめ)」を公表していますので、今後の被後見人を中心に据えた運用に向け一定の改善が進むことが期待されます。

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※最高裁判所の資料では、成年後見制度の趣旨,理念が次のように掲げられています。

「成年後見制度とは,精神上の障害により判断能力が欠ける,あるいは不十分な方に援助者を選任し,契約の締結等を代わって行ったり,本人が誤った判断に基づいてした行為を取り消して本人を保護する制度です。

成年後見制度の理念は,本人保護の理念を源とし,本人の意思や自己決定権の尊重もその理念とされています。審理の中で,できる限り本人の意向を聴いたり,補助,保佐の代理権付与には本人の同意を必要とするなど,本人の意思を尊重する制度が取り入られています。

また,障害のある方も家庭や地域で通常の生活をすることができる社会をつくろうというノーマライゼーションの理念も,成年後見制度の理念の一つであるとされます。

成年後見制度は,これらの理念の調和を目指している制度であるといえます。」

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