黒澤明監督の映画「静かなる決闘」(1949年)
先日アップロードした記事 映画「荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻」のココログ関連記事にこの「静かなる決闘」という映画が取り上げられていたので、ゲオ宅配レンタルでDVDを借りて観てみました。
ストーリーは、太平洋戦争中、野戦病院での手術中に患者から梅毒スピロヘータ(昭和40年代の小中学校の授業で大変恐ろしい病原体と教わった覚えがあります)をうつされた青年医師が、復員後、当時の婚期を過ぎつつある27歳の婚約者への思いやりから自らの意志に反して結婚を断念せざるを得なくなるが、その葛藤の中でも無理をして誠実に生きようとする姿を描いたもの。三船敏郎が演じるストイックな主人公に感情移入してしまいます。
この映画を理解するにあたっては、次の時代背景を踏まえる必要があると思います。戦争末期から戦後すぐにかけてのことですから、戦争さなかの野戦病院では十分な衛生管理をした手術はできない、梅毒は抗生物質で治療可能であるものの感染理由にかかわらずこの病気に対する偏見が強かった、女性の高齢出産は今ほど安全ではなかったであろうということです。
こうした状況の中で不幸にも自身が感染症にかかってしまったら、どうするのか。家族への感染をどう防ぐのか。誰でも深刻に悩んでしまうことかと思います。
この重い課題をもとに、95分の映像に作り上げた感動の名作というのが私の感想です。
父親役を演じる志村喬が、よからぬことによる感染と誤解して叱責したことを反省し、息子に真摯に謝る場面にグッとくるものがありました。
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