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2017年9月10日 (日)

「破天荒」の意味

 「破天荒(はてんこう)」というと、今、日常的に使う用語の意味としては、「とてつもなく変わったこと」「他の人が思いつきもしない斬新なこと」「常識から外れていて今まで全く考えもしなかったこと」「前代未聞のとっぴな発想をすること」のような感じで、私としては、かつて経営戦略の研修などで聞いたアメリカのLCC(格安航空会社)サウスウエスト航空の話を思い出します。

 

 サウスウエスト航空でよく知られる逸話は、航空機の機体の遊休時間が長いのを何とか無駄なく効率的に使う方法はないかと考えたときに、全く関係のない業界である自動車レース・インディ500のピットクルーの動きを研究して、それを航空機の運用に生かしたというもの。新しいことを創造するには、自らの業界でなく別の業界のやり方を研究することが大切だと教えられる話です。その他にも、サウスウエスト航空は、人目を引く奇抜な制服、コミカルな機内放送、ハーレーダビッドソンで登場するCEOなど様々な異色の取組みを展開していて、そのあたりのことは「破天荒!サウスウエスト航空―驚愕の経営」という書籍で詳述されています。

 

 このサウスウエスト航空のようなことが、今「破天荒」と表現されるわけですが、その語源はもう少し深い意味があるようで、本日(2017.9.10)付けの日経新聞「遊遊 漢字学」というコラムで解説されていました。

 

 それによると、「中国で草木一本も生えない土地を「天荒」と呼び、そのことばは優れた人材が出現しない土地のたとえとしても使われていた。敦煌を含む今の甘粛省(かんしゅくしょう)一帯はかつてそうした「天荒」の地とされていたところ、ある年、その地出身の劉蛻(りゅうぜい)という男が科挙の本試験に優秀な成績で合格した。人々は彼の快挙を「天荒」の地からもついにそれを破る男が現れたとの驚きをもって「破天荒」と呼んだ。」「破天荒とは、慢性的に低劣あるいは粗悪だった状態をうちやぶり、画期的なまでに高尚あるいは優秀な状態を出現させることをいう成語である。」ということです。

 

 こうした深い意味があることを知らず、簡単に破天荒と言ってしまっていますが、この解説を読んだときに、今 全国的に疲弊している地方にとって、まさに求められているのがこの「破天荒」であると思いました。そのためのヒントは、異なる分野における様々な変わった取組みであり、それらを組み合わせていくことかなと勝手に考えています。
 
Cci20170910
 

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