JCBカード テレビCM「さまざまのこと思ひ出す桜かな」
嵐の二宮和也さんが先生役のJCBカード テレビCMで板書されている この松尾芭蕉の句は、芭蕉生家(伊賀市上野赤坂町)近くの八景亭という下屋敷で詠まれたもので、その跡は、この句にちなんで今は「さまざま園」と呼ばれています。伊賀市上野玄蕃町にあり、伊賀市指定史跡となっていますが、残念ながら私邸のため、公開されておりません。
【上野市の文化財(昭和52年3月)での「さまざま園」紹介内容↓】
伊賀上野の小中学校では、授業でこの句が取り上げられることも多く、伊賀市民には とても親しみ深いものとなっています。
小学館 松尾芭蕉集①による評解は次のとおりです。
「さまざまの事おもひ出す桜かな 桃青」
旧主の別邸に招かれて、庭前に咲きほこる桜の花を見るにつけ、在りし日のさまざまのことが思い出されて、感慨無量である。一般に、思い出は現実性を捨象すればするほど美しくなる。ことに二十余年という長い歳月の流れに洗われた思い出には、純度の高い幻想のみが持つ透きとおるような美しさがある。いまを盛りの花桜を眼前にして、芭蕉が見ているものは、たぐればかれこれの境もなく、またあとさきの序(ついで)もなく、浮び出るこれらの思い出のみである。「さまざまの事思ひ出す」というのは、一見あまりにも稚拙な言葉のように見えて、実は上のような興趣を最も正確に伝える粉骨の措辞(そじ)であるといえよう。季語は「桜」で春。
※「桃青(とうせい)」は芭蕉の俳号。伊賀市では「桃青中学校」は廃校となりましたが、「伊賀市立桃青の丘幼稚園」にその名が残っています。
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